☆デモクラティックスクールにおける民主主義とは

スクールにおける民主主義の根本的な考えとは

1・個人の権利・尊厳が守られている。
2・全体のことに関してはメンバー全員がかかわり対等に(年齢・性別等で差別されることなく)決める事ができる。
というものです。
1の基盤となっているのは次の3つのことです。
A 自分のことは自分で決定する自由が保障されている
B 自分の興味や動機により行動する自由が保障されている
C.自分も他の誰とも同じように価値のある人間である。

つまり
自分の尊厳、権利や自己決定が許されている自由な環境の中、自分を大切にする心が育っていきます。そして、そこから自分の尊厳を守るためには他の人の尊厳も守っていく必要があることを共同体(集団生活)としてのスクールの日常から学んでいきます。
自分らしさを大切にするように、他人の個性も認めます。お互いの違いを尊重した上で、一つのスクールの中でお互いが問題なく過ごしていけるように工夫しあっていきます。それを対等な人間関係の中、自分達で話し合い必要なことを決めて一人ひとりが安心して過ごせる空間を作り上げていきます。力や人を傷つけるような言葉によらず、友好的な態度で問題を解決していくという姿勢を日々の実体験から学び、身につけていきます。

自由や尊厳が守られているからこそ、自分で決め行動し、工夫し、結果にも責任をもたなければなりません。自己責任で行動することは、自分の気ままに人に迷惑をかけてもきにしないといった態度とは正反対です。

また自分の属するコミュニティのことに等しくかかわれるということは、自分の属する社会全体についても責任をもつようになります。自分だけがよければいい、人のことなんか世の中のことなんか関係ない、自分には何も出来ないといった無責任な、あるいは無力感をもつことと反対です。

大人の世界の民主主義は上記のようではなく、まだまだ成熟した民主国家とはいえない状況です。民主国家以外に「軍事力」をもって、民主化を押し付けるといった姿勢は、「互いの違いの尊重・誰しも同じ価値」をもつというデモクラシーの理念に反しています。民主主義以外をもみとめ、友好的に対等に付き合えるというのが、民主主義の根本的な姿勢のはずです。また成熟した民主的な態度は、人間だけの都合でなく、他の生物や環境なども視野にいれて住みよい持続可能な地球を考えていくことにつながるでしょう。

スクールにまだ暴力をふるったり、ひどい言葉を人に言う子がいたとします。民主的な態度を身につけつつある周りの子ども達はもちろん暴力やひどい言葉では応酬しません。自分達が困っていることを伝えたり、「腹が立ったときには暴力を振るわずにこうして欲しい」とやさしく説明したり、思いやりを持ってその子とお互いに気持ちよく過ごせるようになるためのアイデアを考えたりします。

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